理事長の発言<No.2010.04>21世紀の日本のかたち(28)
-21世紀新生態系都市東京への再生-

関東平野に築かれた100万人の生態系都市江戸が19世紀後半の産業革命(エネルギー革命)を起点に急拡大し、1世紀の間に3,000万人余が集住する巨大都市になりました。

しかし、戦後の東京への人と物の集中はすさまじく、関東平野を食い潰し、平野一杯にだらしなく広がりました。河川を埋め、東京湾岸を埋め立て、海岸線を壊し、美しい自然遺産、歴史的遺産を少なからずつぶしてしまいました。
また、巨大都市東京は災害に弱く、超大型台風が東京湾を直撃した場合、高潮により多くの死者・孤立者がでると予想されています。

2009年8月、新しい首都圏広域地方計画が策定されました。関東平野の生態系が改めて検討され、防災の観点からもこれが計画の下敷きとなっています。この中で、水と緑と生き物の環のまちづくり、都市づくりが検討され、その連合体が新しい庭園都市イメージの大東京圏計画と読み取ることもできます。

化石燃料の多消費によって生じている地球温暖化問題にどのように対処するか、21世紀の地球における人間居住のあり方、住まい方が問われております。20世紀機械文明の築いた都市を生活の作法と自然の理法から問い直し、21世紀地球環境文明、21世紀新生態系都市東京へ再生すべき時に入ったと考えます。