理事長の発言<No.2012.05>21世紀の日本のかたち(52)
―東北州・州都「平泉」案―
平成23年3月に東日本を中心として発生した地震により被害に遭われた皆様には、謹んでお見舞い申しあげますと共に、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申しあげます。
桜が咲き始めた東北の春の日、世界遺産となった「平泉」を訪ねました。
「五月雨の降り残してや光堂」は、芭蕉が「平泉」で詠んだ一句ですが、世界遺産の中核施設、金色堂のある中尊寺一帯は、見学者は大勢でした。
この場所に立って改めて、千年も前、北上川の東岸地域に築かれた奥州の都「平泉」の立地、広がり、組み立てに興味を覚えます。
平泉は東に北上川、南北、西に丘陵地と、防衛上有利な地形をもっています。それでいて奥州の中心の位置、南は白河関と北は外ケ浜との中間にあります。奥大道につながり、交易の要の場所でした。場所の力のもたらす藤原の潤沢な財力も平泉の建設を支えたことでしょう。
今回は、「東北からの国づくり?東北州構想」について改めて考えてみました。
世界遺産平泉に見る、浄土(平和、平穏)の思想と都づくりは、これからの州都づくりに多くのことを示唆している様に感じます。