顧問の発言<No.2024.08>21世紀の日本のかたち(149)
21世紀の国家、国土像 −アニマルから人間へ、ピラミッドから網の目へ−

50年ほど前に当時の政府が主催したコンペティション「日本の国土と国民生活の未来像の設計」を思い出します。このコンペに応募するべく、早稲田大学では当時、総勢100人に及ぶチームがつくられました。1968年から70年までの3年間、研究会は、時代状況を読み込んで21世紀の国家・国土像を「アニマルから人間へ、ピラミッドから網の目へ」として、提言報告書を政府に提出しました。審査結果は、早稲田チームは総合賞を受け、戸沼が保利官房長官から賞状と賞金を受け取ったことを覚えています。
早稲田案の東北“北上京”遷都案は当時大きな反響を呼びました。政府もこれに関心を寄せ、国会移転等審議会を設置し、遷都候補地の選定を行っています。しかし21世紀に入り国会や政府の馬力は失速し、遷都論は立ち消えの感があります。今後30年以内と予想される首都直下型地震、南海トラフ地震に対し、政府はどうするつもりなのか。