顧問の発言<No.2023.10>21世紀の日本のかたち(142)
第三次国土形成計画(全国計画)について
7月28日、第三次国土形成計画(全国計画)が発表されました。この計画は、これからの10年、2033年を目安とした、2050年、2070年に向かう日本の動態のひとつの通過点、目安と受け取られます。日本の将来人口について、急速な少子高齢化を伴って、2008年1億2,808万人をピークに減少を続け、2020年1億2,615万人、2056年に1億人を割り、2070年8,700万人(出生中位)と予想されています。計画では、地方生活圏の地域のまとまりのベースを前期計画の“30万人程度”から、概ね“10万人以上程度”とした想定は、この10年間の地方の人口減少傾向を反映したものとして納得がいきます。このベースで、地方においてデジタルとリアルの融合によって、地域生活圏の維持、強化を期待したいものです。
東京一極集中問題については、今期国土形成計画においても“是正”を掲げておりますが、国策として決め手を欠いたままです。私は、1970年「21世紀の日本の国家・国土像」を求める政府主催のコンペティションにおいて、早稲田大学グループとして、北上京(東北)遷都の提案をして以来の「首都移転」論者です。また、リニア中央新幹線、新東名・新名神高速道路の建設が進んでいます。これについては、心配事として近未来に起きるとされる「南海トラフ地震」が待ち構えております。首都直下と南海トラフが重なったら日本はどうなるか。