理事長の発言<No.2009.05>21世紀の日本のかたち(17)
-東京の姿形について考える <その4>-

21世紀、日本の社会は、開発型から保全型に向かっていると考えられます。
東京に限らず、日本にはいろいろな意味を含んで多くの貴重な歴史遺産があります。時代精神が込められた建築や構造物、公園などが全国の都市や地域に点在しており、その土地の歴史、アイデンティティを体現しています。
これについては、保存か部分保存か、経済の活性化のために改廃して再開発するかの問題がついて廻ります。その時に当事者になった人々の歴史的文化的価値判断力が求められます。
今回は、東京都文京区本郷の元町公園を取上げて、この問題を考えてみました。
元町公園は、大正12年(1923)の関東大震災復興期に、東京市が昭和5(1930)年、焼失区域の各小学校と一体に設置した52の震災復興小公園(帝都復興事業の一環)の一つで、現在原形を留めている唯一の公園です。